同じ日に、
二つの都市でまったく異なる“音”が鳴っていた。
西では、
静かな拍手と確信が広がり、
東では、
言葉にならない不安が、画面越しに滲み出ていた。
それは一人の選手が去った、という話ではない。
三つの柱が同時に揺れ、
誰もが「何かがおかしい」と気づきながら、
それを止める言葉を持たなかった夜の記録だ。
スタジオで交わされた冷たい言葉。
笑顔の裏に隠された沈黙。
そして、
「祝福の仕方」ひとつで露わになった、
組織としての温度差。
あるクラブハウスでは、
選手たちが互いに視線を交わさなくなり、
別のクラブハウスでは、
自然に円が生まれていた。
金はあった。
スターもいた。
だが、“一体感”だけが欠けていた。
誰かが去るたびに、
それは偶然ではなく、
連鎖であることが明らかになっていく。
ドミノは、すでに倒れ始めていた。
対照的に、
一人の存在が、
人を呼び、
文化を整え、
沈黙のうちに秩序を作り上げていく場所があった。
比較は残酷だ。
だが、避けられない。
才能は集められる。
だが、信頼は集められない。
信頼は、
長い時間と、
同じ方向を向く覚悟の中でしか育たない。
沈黙を選び続ける者と、
動き続ける者。
この差が、
来季の順位以上に、
“球団の未来”を決めてしまうかもしれない。
これは誰かを断罪する物語ではない。
ただ、
どのチームが「選ばれる場所」になり、
どのチームが「去られる場所」になったのか――
その分岐点を、
私たちはいま目撃している。
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